黄昏時


黄昏時…

それは禁断の果実のような

赤くて生々しくて、まるで魔法みたいな時間

大人になれない少年少女は、お互い確かめ合うように身体を寄せ合う

歪んだその世界では、何をしても許される

太陽が沈むまでは…


本当は、早くその空間から抜け出さなくてはならない

そこにずっと居てはならない

そこの空間は、禁忌だから

ずっとずっと大人になれないまま時間は止まり

太陽は沈まなくなってしまう


そうなってしまったらその空間に依存する子供達を消さなくてはならない

そこは、禁忌、つまり、いけない事だから

抹殺しなければならないのだ


赤くて甘くて美味しいりんごの果実は

禁断の赤い果実

それはまるで、黄昏時のように妖しくて美しい

そして、危険なもの


作品の中の僕の好きな言葉


明日に真っ向から踏み出す朝を

迎えるその時は

隣にいるのは君がいい


あて先はないけど

縁が切れてなければ届くと思う

手紙

今なら書ける気がしたから


「明けない夜の過ごしかた」



常識超えたところに

世界の真理がある


チルノのパーフェクト算数教室」



普通やなくていい

ひとりやないほうがいい……


ユピテルにおねがい」



ずっと殺し合えればいいのにね。ずっと死に合えればいいのにね。


だからこれは、別れでも終わりでもなくて。

……二人の永遠なんだ。


「スイートワンルーム



咲けない花の種は

雪に抱かれ 寄り添うの

静かに忘れられたい


遠回りでも行き止まりでもいい

君となら怖くない


雪に咲く花/花澤香菜



繰り返す過ちの そのたび人は

ただ青い空の青さを知る


粉々に砕かれた鏡の上にも

新しい景色が映される


海の彼方にはもう探さない

輝くのは いつもここに

わたしのなかに 見つけられたから


いつも何度でも/木村弓



街は夜に包まれ 行き交う人魂の中

大人になった哀しみを 見失いそうで怖い

砕かれていく僕らは

星の名前も知らず 明かり灯すこともなく


君だけを/スピッツ



確かなものなど 何もなく

ただひたすらに 君が好き


流星/吉田拓郎



あの日出会わなければ

今も笑えてたのかな


空も優しく見えないわ

だって 独りだもの

いたづらな運命に言葉も出ないわ

分かり合えた二人に

もう 戻れないの


いつか溶ける涙



彼と彼以外の間にあるのは深い奈落だった。

彼はそこに転がり落ちるしかないのかも知れない。

昼の次にやってくるのが夜でしかないように。

至極、当たり前のように…。


さよならを教えて




自分の決まりが法律より上にある


自分の所属する中で永遠になればいい


うんこちゃん



分かり合うよりは 確かめ合うことだ


空を飛ぶ事よりは 地をはうために

口を閉ざすんだ 臆病者として


人生語らず/吉田拓郎



魔法の薬



恋は悪魔のおまじない

それは 魔法のように気づかないうちにかかって そして消えていく呪い


何も痛くない

辛くない

苦しくない

だから 何処まででも行けちゃうの

何処までも何処までも 空の向こうの彼方まで

行ける、気がするの


解けた瞬間 気づく

こんなところ あんなところに

沢山の擦り傷 赤い赤い液体

いきなり現実にに帰る

なんだ、全部全部夢だったんだ


苦しいかったのかな

悲しかったのかな

何にも覚えてないけど

そんな事よりも

胸が苦しいの

頭がいたいの

お願い、薬、ちょうだい

もっともっと 私に 薬をください


楽になりたいの



好きになること


何かを好きになる、誰かを好きになるって

病気という部屋と薄い壁一枚の隣同士の部屋なのかもしれない

そのくらいスレスレのところで生きてる


理性が効かなくなる

気持ちを抑えられなくなる

自分が自分で無くなる

もはや、自分なんかどうでも良くなる

死ぬ、という次元を超えてしまう

つまり、死ぬのすら怖くなくなる

「好き」というのは恐ろしいのかもしれない

誰かのためでなく

自分の為だけに、自分の身を投げる



好きになることは、病気なのですか

いけないことなのですか

でも出来るだけ

好きになることは避けたいと思った

面倒臭いから



あぁ、少しだけ歳をとったのだと

そう思った


小さい器


これは、神様から授かった、ガラスの器

有り難く大切にしていたけれど

そのうち、その器の小ささに気づかざる終えなくなった

あまりに小さいので

その器からみるみる色んなものが溢れ出る


いいな

あの子の器は大きくて頑丈で

あの大きさだったら全てのものを受け入れられる

私の器は、すぐにこぼれる

入りきらなくて、よく割れる

辛い、辛いよ

私だって、あの子のように大きくて頑丈な器だったら

もっと色んな人を受け入れられたかもしれない

理不尽な世の中に文句なんか言わなくて済んだのかもしれない


だって、私の器はすぐ壊れちゃうもの

また1からパーツをつける作業もしんどくて

治す事だけで、精神的にも疲れちゃうんだ


こんなのは酷い、許せない

何故私の器はこんなに小さいの

あの子ばっかり

あの人ばっかり

あの綺麗な女の子

頑張ってる男の子

みんなみんな、優しいんだ

だって、器が大きいから


みんなのその、余裕はなんだい?

みんなのその、笑顔はなんだい?


みんなを恨むしか方法のないこの私を見て

そんなに楽しいのかい?


だったら、何もかも捨てて

死んでやろうじゃないか


私は器を投げ捨てる


パリーーンと

器の破片が粉々に冷たい地面の上で散った


なんでいちいちこんなことしなくてはならないの

私は、弱い人間なのですか

神様から授かった器すら大切に出来ないなんて


器の破片を片手に

私は、自分の腕を斬りつける

力を入れて、手前にスッとひっぱる



神様、私は

いけない子なんですか

悪い子なんですか

自分の器のせいにしか出来なくて、逃げてばかりの弱い子なんですか

生まれた時から、それは定めだったのですか

理由なく人を恨むくらいなら、死んでしまったほうがいいです

死なせてください


夏の思い出


暑い夏の日
チリチリとした日差し
蚊は、生きてるかも分からずにフラフラと夏の世界を飛び回る
だから、死ぬ怖さも分からないんだ


夏の白くて冷たいアスファルトの上
一匹の蚊は呆気なくそこに落ちていた

人間の手で奪われた命
生きている事や、死んでしまう怖さも分からないまま、ただそこで息を引き取っていた

人間も蚊も、惨さも残酷さを理解できない
分からないのだ
同じ生き物じゃないから
でも、白いアスファルトの上に映える黒い物体は、何故かそれを思い知らざる終えなかった

この不条理な世の中を作っているのは人間で
自分もその1人なのだと、当たり前のようで分かりづらく仕組まれた世界なのだと

白い地面の上のどの色とも交わらない黒く染まる蚊は私にそう、訴えかけてきた


いい思い出があるわけでもなく、悪い思い出があるわけでもない
ただ、トンネルの向こう側の入道雲がくっきりとした青い空を見ると、何故だか心が揺れ動いてしまう


それが、夏


Ω


産んでおきながらこんなこと言うのはおかしいことは分かってる
無責任ではしたない人間だと分かってる
でも、そう願うのを許して欲しい……

お願い、幸せになって、、、

産まれて初めて、今一番自分以外の人の幸せを願っている
その子は何も悪くない
その子の不幸は全て僕が引き受けたい
ああ…最低だよ本当僕は…
他人事でしか物事を言えないクソ野郎さ…
この無念は一生僕の身体をズキズキ彷徨う

お願い、強く生きて、、、


人の幸せなんか、何も関係無かった
でも一つだけ言わせて欲しい
人を恨む事しか出来なかった僕は
たった今、人の幸せを願う気持ちになれた事
僕は、僕は少しだけ大きくなれたのかもしれないのだと
少し自分自身を認めてあげたい
自分の子供なんだから当たり前だって
大半人はきっと言うのだけれど
それでも、僕は心から嬉しいんだ

これだけはわかる
自分の幸せが嬉しいのも、他人の幸せが嬉しいのも
全て自己満足の為だなんて
悲しいけれど
それでも、僕は少しだけ自分自身を許してあげたい
だからもう、しばらくは、ここで休ませて
僕は、頑張ったんだ…

さようなら、僕の子供
もう、自分の子供ではない君
もう二度と会わない君
ごめんね
ごめんね
ごめんね

幸せになってなんて
意地悪なこと言って
最低な事言って
ごめんね

それでも

ありがとうって
言わせてくれ