カミソリ雨


いつからだろう

神様なんていないと口にしてしまったのは

奇跡などないと思い込み始めてしまったのは


朝日が昇ったらゴミ置場のゴミ袋を漁って

使えそうな装備を搔き集める

此れから旅に出よう

ギリギリの自分護るため

飢えた幼虫に侵食される前に


大量のカミソリの上を歩く

僕が僕でいるために

身体が切り刻まれるのを五感で感じながら

視界を転がしイきつづける

赤い赤い体液の数だけ満たされる心がある


大量のカミソリ雨を浴びる

死ねないまま 道を歩き続ける

身体のどこかが欠けるのを感じながら

僕が僕である事を認める

失えば失うだけ満たされる心がある


ねぇもう死ねないの

全てが赤く染まる感覚が

忘れられないの



何も知らない


学校の屋上から

ビー玉をばら撒いた

それは輝く星屑のように

太陽に反射した


ゲームは終わりにしましょ

そろそろ夜がくるから

夜になると恐ろしい魔物が息をする


1人で描いていた

大きな空にたくさんの星

いつか届くかもしれないと

ずっと夢見ていた


私はまだ大人になれなかった

地上から宙吊りになったまま

その糸は切れないまま

私は夕暮れを彷徨うの


大きい世界は知らないの

小さい世界も知らないの


蟻が何かに潰された時のドス黒い体も

星が破壊された時に飛び散った小さなカケラも


何も知らないまま大きくなるの


黄昏時


黄昏時…

それは禁断の果実のような

赤くて生々しくて、まるで魔法みたいな時間

大人になれない少年少女は、お互い確かめ合うように身体を寄せ合う

歪んだその世界では、何をしても許される

太陽が沈むまでは…


本当は、早くその空間から抜け出さなくてはならない

そこにずっと居てはならない

そこの空間は、禁忌だから

ずっとずっと大人になれないまま時間は止まり

太陽は沈まなくなってしまう


そうなってしまったらその空間に依存する子供達を消さなくてはならない

そこは、禁忌、つまり、いけない事だから

抹殺しなければならないのだ


赤くて甘くて美味しいりんごの果実は

禁断の赤い果実

それはまるで、黄昏時のように妖しくて美しい

そして、危険なもの


作品の中の僕の好きな言葉


明日に真っ向から踏み出す朝を

迎えるその時は

隣にいるのは君がいい


あて先はないけど

縁が切れてなければ届くと思う

手紙

今なら書ける気がしたから


「明けない夜の過ごしかた」



常識超えたところに

世界の真理がある


チルノのパーフェクト算数教室」



普通やなくていい

ひとりやないほうがいい……


ユピテルにおねがい」



ずっと殺し合えればいいのにね。ずっと死に合えればいいのにね。


だからこれは、別れでも終わりでもなくて。

……二人の永遠なんだ。


「スイートワンルーム



咲けない花の種は

雪に抱かれ 寄り添うの

静かに忘れられたい


遠回りでも行き止まりでもいい

君となら怖くない


雪に咲く花/花澤香菜



繰り返す過ちの そのたび人は

ただ青い空の青さを知る


粉々に砕かれた鏡の上にも

新しい景色が映される


海の彼方にはもう探さない

輝くのは いつもここに

わたしのなかに 見つけられたから


いつも何度でも/木村弓



街は夜に包まれ 行き交う人魂の中

大人になった哀しみを 見失いそうで怖い

砕かれていく僕らは

星の名前も知らず 明かり灯すこともなく


君だけを/スピッツ



確かなものなど 何もなく

ただひたすらに 君が好き


流星/吉田拓郎



あの日出会わなければ

今も笑えてたのかな


空も優しく見えないわ

だって 独りだもの

いたづらな運命に言葉も出ないわ

分かり合えた二人に

もう 戻れないの


いつか溶ける涙



彼と彼以外の間にあるのは深い奈落だった。

彼はそこに転がり落ちるしかないのかも知れない。

昼の次にやってくるのが夜でしかないように。

至極、当たり前のように…。


さよならを教えて




自分の決まりが法律より上にある


自分の所属する中で永遠になればいい


うんこちゃん



分かり合うよりは 確かめ合うことだ


空を飛ぶ事よりは 地をはうために

口を閉ざすんだ 臆病者として


人生語らず/吉田拓郎



魔法の薬



恋は悪魔のおまじない

それは 魔法のように気づかないうちにかかって そして消えていく呪い


何も痛くない

辛くない

苦しくない

だから 何処まででも行けちゃうの

何処までも何処までも 空の向こうの彼方まで

行ける、気がするの


解けた瞬間 気づく

こんなところ あんなところに

沢山の擦り傷 赤い赤い液体

いきなり現実にに帰る

なんだ、全部全部夢だったんだ


苦しいかったのかな

悲しかったのかな

何にも覚えてないけど

そんな事よりも

胸が苦しいの

頭がいたいの

お願い、薬、ちょうだい

もっともっと 私に 薬をください


楽になりたいの



好きになること


何かを好きになる、誰かを好きになるって

病気という部屋と薄い壁一枚の隣同士の部屋なのかもしれない

そのくらいスレスレのところで生きてる


理性が効かなくなる

気持ちを抑えられなくなる

自分が自分で無くなる

もはや、自分なんかどうでも良くなる

死ぬ、という次元を超えてしまう

つまり、死ぬのすら怖くなくなる

「好き」というのは恐ろしいのかもしれない

誰かのためでなく

自分の為だけに、自分の身を投げる



好きになることは、病気なのですか

いけないことなのですか

でも出来るだけ

好きになることは避けたいと思った

面倒臭いから



あぁ、少しだけ歳をとったのだと

そう思った


小さい器


これは、神様から授かった、ガラスの器

有り難く大切にしていたけれど

そのうち、その器の小ささに気づかざる終えなくなった

あまりに小さいので

その器からみるみる色んなものが溢れ出る


いいな

あの子の器は大きくて頑丈で

あの大きさだったら全てのものを受け入れられる

私の器は、すぐにこぼれる

入りきらなくて、よく割れる

辛い、辛いよ

私だって、あの子のように大きくて頑丈な器だったら

もっと色んな人を受け入れられたかもしれない

理不尽な世の中に文句なんか言わなくて済んだのかもしれない


だって、私の器はすぐ壊れちゃうもの

また1からパーツをつける作業もしんどくて

治す事だけで、精神的にも疲れちゃうんだ


こんなのは酷い、許せない

何故私の器はこんなに小さいの

あの子ばっかり

あの人ばっかり

あの綺麗な女の子

頑張ってる男の子

みんなみんな、優しいんだ

だって、器が大きいから


みんなのその、余裕はなんだい?

みんなのその、笑顔はなんだい?


みんなを恨むしか方法のないこの私を見て

そんなに楽しいのかい?


だったら、何もかも捨てて

死んでやろうじゃないか


私は器を投げ捨てる


パリーーンと

器の破片が粉々に冷たい地面の上で散った


なんでいちいちこんなことしなくてはならないの

私は、弱い人間なのですか

神様から授かった器すら大切に出来ないなんて


器の破片を片手に

私は、自分の腕を斬りつける

力を入れて、手前にスッとひっぱる



神様、私は

いけない子なんですか

悪い子なんですか

自分の器のせいにしか出来なくて、逃げてばかりの弱い子なんですか

生まれた時から、それは定めだったのですか

理由なく人を恨むくらいなら、死んでしまったほうがいいです

死なせてください