僕は人間兵器


僕が人間だった頃

僕が生きていた頃


あの頃はきっと笑えていた

些細なことも 幸せだった

でも そんな事に気づくはずもなく


今は何もかもがモノクロになって

有機物と無機物の違いも分からなくなってしまった

全てが同じに見える


笑っても笑ってなくても同じ

殺しても殺さなくても同じ


綺麗な葉っぱの緑も

暗い裏道のネオンも

生き物の身体に流れてる綺麗な紅い液体も


皆んな 無彩色の世界に閉じこもってしまった



僕は歩く人間兵器


色を吸い取る人間兵器

笑顔を吸い取る人間兵器


もうあの頃のように 笑えない 戻れない


一度だけでも

皆んなのために 君のために

なれることがあるのなら

どんなに幸せだったのか


もう 君の存在も

モノクロの世界に溶け込んで

景色と区別が付かなくなったよ


僕は嘲笑う人間兵器


世のために出来ることは一つ

それは 世のために死ぬ事

ジサツする事


知りたかった

僕の存在意義

知りたくなかった

僕の存在意義

僕の存在する意味を 誰か

教えて欲しかった