一輪の花
僕は、一回だけ水をやる
そいつは、嬉しそうに自然の恵みを受け取った。もう何も要らないかのような幸せを感じている
そうか、なら
もう水は要らないよね
僕はもう水をやらないで、そいつを見つめた
そいつは力無さそうに、どんどん萎れていく
水が欲しいかい
でもね、あげない
もっともっと苦しんで息ができなくなるくらい喉が乾くまで、僕はあげない
もっともっと、もっともっともっと、僕を求めて、僕を感じてくれるまで水はあげないよ
だから、僕の心を満たしておくれよ
死ぬ気で僕を存分に楽しませておくれよ
良い子に従ってくれたらさ、冷たくて澄んだ美味しい水、あげるから
でもねもし、僕の事嫌いになったら
殺す
殺して串刺しにして食べる
僕はね、いつでも君の事殺せるんだ
どんなやり方でも、どんなに残酷にも出来ちゃうんだ
だからね、そうならないように僕は、四六時中君を見つめてる
君が何を見て何を感じているのか、ずっと見つめているんだ
美しく咲く君を
枯れても散っても美しい君を、僕はこの手で
ぐちゃぐちゃにしてあげる