何も知らない


学校の屋上から

ビー玉をばら撒いた

それは輝く星屑のように

太陽に反射した


ゲームは終わりにしましょ

そろそろ夜がくるから

夜になると恐ろしい魔物が息をする


1人で描いていた

大きな空にたくさんの星

いつか届くかもしれないと

ずっと夢見ていた


私はまだ大人になれなかった

地上から宙吊りになったまま

その糸は切れないまま

私は夕暮れを彷徨うの


大きい世界は知らないの

小さい世界も知らないの


蟻が何かに潰された時のドス黒い体も

星が破壊された時に飛び散った小さなカケラも


何も知らないまま大きくなるの