なんとなく死にたい


死にたい。

死にたい。死にたい。


ポツンと出た言葉。

し に た い

そう口はたわいもなく描く。


なぜ。なぜ?

理由はない。ただ、漠然と死にたいのだ。


生きる理由も死ぬ理由も見つからない。

見つかったとしても、生きることも死ぬこともできない。

生きてるか死んでるすらわからない。


僕は生きているのだろうか。死んでいるのだろうか。

目の前に猫の死体が落ちている。

でもそれは、あまりに漠然としていて、死んでいるという実感が湧かない。

本当に死んでいるのだろうか。死んでるってなんなんだろう。


そこに死はあっても、特に何も感じなかった。


だから、何回も猫を殺してみた、でも

死を実感出来なかった。



「僕はなんのために生きているのだろう」


沈む前の太陽に目を向ける。

そこまで眩しくなくて、ただ呆然と見つめていた。

また今日も終わってしまう


死にたい。死にたいな。

ふと思う。死にたいって。

理由もなく、漠然と。


それは地球の裏まで穴を掘って行けてしまいそうな気がしたから。

綿雲の上に乗せそうな気がしたから。

そんな漠然とした感情がよぎる。


なんとなく死にたい、と。