優しくなりたかった


この瞬間に気がつく

この瞬間しか分からない

ああ 空はこんなにも広かったんだっけ

そんな事に今更気付かされ

物凄い速さで遠ざかっていく空を

ただただ見つめることしかできない

だってもうこれ以上 頭は回らないから


君は僕が死んだら嬉しくて笑うの?

おかしくて笑うの?

それとも素っ気なく笑うのだろうか 僕なんかのために


ああ あの時

もっと素直に出来てたら

真っ直ぐで 素直な眼差し

行く道を照らす目の中の灯は

いつからか消えてしまった


優しくなりたかった

ただ優しくなりたかった


果てしない空の下には

終わりのある冷たくて硬いコンクリート

それだけだった