カミソリ雨


いつからだろう

神様なんていないと口にしてしまったのは

奇跡などないと思い込み始めてしまったのは


朝日が昇ったらゴミ置場のゴミ袋を漁って

使えそうな装備を搔き集める

此れから旅に出よう

ギリギリの自分護るため

飢えた幼虫に侵食される前に


大量のカミソリの上を歩く

僕が僕でいるために

身体が切り刻まれるのを五感で感じながら

視界を転がしイきつづける

赤い赤い体液の数だけ満たされる心がある


大量のカミソリ雨を浴びる

死ねないまま 道を歩き続ける

身体のどこかが欠けるのを感じながら

僕が僕である事を認める

失えば失うだけ満たされる心がある


ねぇもう死ねないの

全てが赤く染まる感覚が

忘れられないの