おまじない


星が消えていった

もうすぐ街が騒ぎ出す

僕は今日も生き延びてしまった

憐れな生き物さ


透明の向かい風を感じる

足が重くなる

淀んだ空気は

僕をどんどん置き去りにしていく


いいか 今日くらい

おまじないを心に刻んで

逆向きに走っていこう

呪いに変わってしまう前に

風の終わりを目指して

走っていく

また星が一つ 空に浮かび上がった

僕の存在が消えてしまう前に

僕が僕であると知りたいから

ずっと ずっと 走っていく






デンジェラス世界


白い壁に 僕の血で描いた

デンジェラス世界

あの頃はまだ 大丈夫だと

心のどこかで思ってたんだ

バカみたいだよね


女の子が叫んでる

女の子が泣いている

雑音の中で感じとった

君のテレパシー

ぐちゃぐちゃになってる君のところへ

僕は走っていく


世界を恨んじゃいないさ

ただ僕みたいなモンスター産んで

何がしたかったのさ

叫んでただけなんだ

ここにいる 僕はここにいると

でも死ぬしかなかった

それでしか存在する方法

見つけられなかったんだ





世の中が揺れ動いているんだ

一つ一つの器が

大きな歯車を動かし

そして狂わしていく

あなたの拒絶が

やがて大きなものを生み出し

動かし

壊され

破滅する

でも自分自身を傷つけてたら

世界はきっと自殺波動で蠢く

彼方此方で自殺の波動が揺らぐ

何処に行っても正解は存在しない

不確かでぐにゃぐにゃの世界

人の眼差しで黒く濁っていく

世の中は揺れ動く

何もないところから

それは始まる





私は濡れたコンクリートの上

水で蛍光灯の光が反射するコンクリートの上

そこに立っている

存在していることのおぞましさを感じている


一歩外に出るとそこは

私の身体全てが冷たい空気と触れ合う

指先まで、空気が触れている

冷たい粒子の羅列が自分の肌と触れ合う

とても生々しかった

初めて自分が存在していると感じた

凄く、重々しかった

赤い肉片が重なり合って一つの生き物として存在している

肉片と肉片を積み重ねて、生き物の形をしている

この世界の在り方はとても適当で、自分という存在に違和感を感じていて、景色はいつなんどき歪んで見える


粒子が淀んでる

大地が眠りに着こうとしている

地球の静寂を感じる

そろそろ秋なんだ




共犯



僕は君の身体に傷をつけた

沢山の傷をつけた時

君はにっこり笑って力無く

「共犯だから」

という


それを聞いて僕はいつもゾクっとする

また何度でも虐めたくなる自分がいる

全部君が悪いんだ


カッターナイフで君の身体に傷を切り刻んでる時

ひたすら苦しそうに涙を流しながら叫び声をあげる君

でも、それを押し殺そうと必死でぐちゃぐちゃになってる君

それでも決して「やめて」とは言わないんだ

僕は興奮してアドレナリンが止まらなくなる


君が辛そうで、面白いから


終わった後、君は僕の横でぐったりなるんだ

君はいつだって僕に縋っている


もう僕なしじゃ生きられないってね



僕の身体



不自然に綺麗に並ぶ僕の腕の傷跡

今日も彼に会うんだから

身だしなみはちゃんとしなきゃ、ね


君を求めれば求めるほど

腕の傷跡は増えていくよ

「i miss you」

心と腕に刻みつけるんだ


君は僕を優しく嗜んで

そして冷たく突き放す

そんな彼に僕は虜になる

嫌われたくない、見放されたくない

その為ならなんだって我慢できる


だってそれは彼からもらった傷だから


まるで麻薬を吸ってるみたいなんだ

彼に支配された僕の身体と心

全て彼で満たされてる

だからもうどこにも行かないで

あなたが消えてしまったら

心の穴が大きすぎて

どう生きていけばいいか分からないよ

だから、今より沢山、傷つけて

めちゃくちゃにして、ぐちゃぐちゃにして

切り刻んで