器
世の中が揺れ動いているんだ
一つ一つの器が
大きな歯車を動かし
そして狂わしていく
あなたの拒絶が
やがて大きなものを生み出し
動かし
壊され
破滅する
でも自分自身を傷つけてたら
世界はきっと自殺波動で蠢く
彼方此方で自殺の波動が揺らぐ
何処に行っても正解は存在しない
不確かでぐにゃぐにゃの世界
人の眼差しで黒く濁っていく
世の中は揺れ動く
何もないところから
それは始まる
共犯
僕は君の身体に傷をつけた
沢山の傷をつけた時
君はにっこり笑って力無く
「共犯だから」
という
それを聞いて僕はいつもゾクっとする
また何度でも虐めたくなる自分がいる
全部君が悪いんだ
カッターナイフで君の身体に傷を切り刻んでる時
ひたすら苦しそうに涙を流しながら叫び声をあげる君
でも、それを押し殺そうと必死でぐちゃぐちゃになってる君
それでも決して「やめて」とは言わないんだ
僕は興奮してアドレナリンが止まらなくなる
君が辛そうで、面白いから
終わった後、君は僕の横でぐったりなるんだ
君はいつだって僕に縋っている
もう僕なしじゃ生きられないってね
僕の身体
不自然に綺麗に並ぶ僕の腕の傷跡
今日も彼に会うんだから
身だしなみはちゃんとしなきゃ、ね
君を求めれば求めるほど
腕の傷跡は増えていくよ
「i miss you」
心と腕に刻みつけるんだ
君は僕を優しく嗜んで
そして冷たく突き放す
そんな彼に僕は虜になる
嫌われたくない、見放されたくない
その為ならなんだって我慢できる
だってそれは彼からもらった傷だから
まるで麻薬を吸ってるみたいなんだ
彼に支配された僕の身体と心
全て彼で満たされてる
だからもうどこにも行かないで
あなたが消えてしまったら
心の穴が大きすぎて
どう生きていけばいいか分からないよ
だから、今より沢山、傷つけて
めちゃくちゃにして、ぐちゃぐちゃにして
切り刻んで
オレンジ
√
手当たり次第人を殺そうと思った。
笑顔で、殺そうと思った。
つまらない毎日、生きる希望も見つからない。僕は、こんな毎日に老けてたんだ。
失踪事件、テロ事件、殺人事件、めくるめく起こる政。
泣きわめく街の中1人、僕は佇んでいた。
くだらない、とわきまえても本当はどこかで興奮してた、何かが起きる事。
きっと僕はつまらない、つまらない人間なんだ。でも、こんなところで終わらなくて
朝ママに行ってきますを言った後
ナイフを持ちながら街をふらふら出歩いた
街は変わってない気がした
色んなことが巡り巡ってるのに、建物はどんどん新しくなっていくのに
僕も変わっていない気がした、それに答えるように
これからもそうであって欲しかった
街中を歩くそして
僕は、ナイフを突き刺した
そう、これでいい、これでいいんだ
入っては行けないボーダーラインが段々とあやふやになってきだところで僕は、手を止めた
女の人の悲鳴
逃げる人
誰も僕に近づこうとしなかった
僕は立ち上がり移動しようとすると、たちまち周りの人は僕を避けた
僕は、僕は今初めて、生きてる気がした
ここに、初めて自分を見つけた
今まで朝起きること、ご飯を食べること、学校に行くこと、誰かと話すこと、授業を受けること、寝ること、何もかも、僕は生を感じることはできなかった
別に、それで一生を終えても構わないとどこかでは思っていたけど
僕は今、やっと、ここに自分を見つけた
これで、これでいいんだ
その後僕は、自分のお腹にナイフを突き刺した
そのあとは、そのあとは……
覚えていない
でも、僕の心は満たされた
僕は
僕は
幸せだ
君
あの時の君の顔を忘れない
どこかずっと遠い遥向こう側を見ているように感じた
君という存在が不思議でならなかった
桜の花びらに霞む君の横顔を見て
どこか、僕には踏み込めないようなところに君はいるのだと思った
きっと僕には理解できない
生きてるうちには少なくとも、理解できない
君という存在を理解できない
僕だけでなく、誰も入らないようなところに君は1人、立っていた
だから、僕もそこへ行きたかった
僕も、そこへ行ける資格のある人間でありたかった、でも
神様、いや君は、そんなに優しくはなくて
君は今日も1人で居た
寂しかった
僕は寂しかった
君を知りたかった
1人でどこを見てるか、何を考えてるかわからない君を、僕は知りたかった
君をもっともっともっと僕は………
目が覚めた
そうか、またこの夢を見た
夢の中で僕の昔の感情が疼いていた
起きたら、あちらこちら、傷跡があった
打撲、青痣、切り傷、擦り傷、根性焼き、、、
僕は僕自身を抱きしめた
そうか、これが、これが今の自分か……
これでも、僕は望みが叶ったんだ
何も怖くない
それは、あの時の君が、僕に残してくれた印だから